前回は、中小企業が女性活躍推進に取り組むことでのメリットを
お伝えしました。
前回記事はこちら
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中小企業が女性活躍推進に取り組むとどうなるか?女性活躍推進で得られる5つのメリット
今回は、女性を取り巻く現状について考えてみたいと思います。
今の時代、男性の常識は非常識
私は、今から19年前の31歳のとき、株式会社クック・チャム
(本社:愛媛県新居浜市)に転職しました。
クック・チャムは路面型のおかず屋さん(惣菜店)を全国に
チェーン展開しており(2022年2月現在73店舗)、惣菜業界では
知らない人がいないほどの業界超メジャー企業です。
「ご飯はお母さんがお家でつくるもの。惣菜なんて贅沢。」
と言われていた昭和54年に、創業者の藤田敏子社長が、
「働くお母さんを助けてあげたい!」との想いで惣菜専門店を
始めました。
このようなコンセプトですので、お客様の多くは女性で、
従業員も95%が女性(私の入社当時は女性が93%)。
合言葉である「生涯現役」のもと、20~70代の女性が
毎日元気にワイワイガヤガヤとお仕事をしています。
私は、クック・チャムに入社前、半導体関係のエンジニアを
11年間していました。
男性が中心の会社でしたので仕事もコミュニケーションの相手も
ほぼ男性。おまけに、男子校に近い学校を卒業しましたから、
女性とは無縁に近い状態でした。
そんな私が、あえて女性の会社に転職したことで、仕事と
コミュニケーションの相手がいきなり、男性から女性に
変わったのです。
こんな私が「働かせてください!」と面接に行きましたので、
藤田社長は大きな驚きと大きな戸惑いがあったと思います。
この転職が、私の人生を大きく変えました。
男性の会社から女性の会社に移ったことで、私の価値観は180度変わり、
それまでの自分の中の常識が非常識になったのです。
以前の会社は男性が中心でしたから、仕事の方向性も進め方もやり方も
男性が決めて、重要な部分は男性が行い、その遂行のために必要な
雑務的なことは女性がしていました。
今思えば、女性に仕事を依頼するときがかなり雑だったと思います。
随分と偉そうな態度を取っていたことでしょう。
思い返しただけでも恥ずかしいです。
クック・チャムは真逆。仕事の主役は女性で、女性が仕事しやすいように、
女性が成果を上げられるように男性は徹底してサポート役。
だから、女性はイキイキお仕事でき、力を発揮できているのです。
その結果、売上が上がり、利益も上がっていましたので、
女性はますますイキイキ楽しくお仕事をして、好循環になっていました。
私はその姿を見て、女性の能力の高さに驚くとともに、すごく大きな
ポテンシャルを持っていると感じました。
男性の常識はもはや通用しない時代に入っていることを
男性は知るべきと思います。
働く女性が少ないのは、女性を理解できる男性が少ないから
女性の就業率が男性に比べ低いことが問題とされています。
総務省統計局「労働力調査」によりますと、
2010年以降、女性の就業率(15歳以上人口に占める就業者の比率)は
徐々に上がり、2021年は52.2%で2010年より5.9%上昇しています。
それでも、男性の69.1%(2021年度)に比べれば16.9%もの大きな開きが
あります。
この理由はいろいろあるのでしょうが、
最も大きな理由は、女性を理解できる男性が少ないことだと思っています。
日本は、女性を理解する、または、理解しようとする男性が世界各国に比べ
圧倒的に少ないです。
それが、女性の就業率や管理職比率などに大きな影響となり、
もしかしたら、男性の常識(思い込み)が女性の就業意欲や活躍の場を
奪っているのではないかと思うのです。
これは、男性中心の会社から女性が主役の会社に移って、
私が自分の肌で感じたことです。